◆3つの要件に適合させる??
先ずは、3つの要件に適合させることから考えてみましょう。 ⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒ とは言いません。
一般的には、以下のように説明されているようです。
◆経営と一体的な立場
・年度の事業計画に参画している(担当部署は当然として、全社的なことについて役員に意見を述べ
ることが出来る。)
・人事考課等の決裁権を持つ
◆勤務時間を管理されない
・遅刻をしてもその時間分の賃金が控除(カット)されることはない
・タイムカードの打刻義務はない
◆相応の待遇
・一般職とは明かに差がある額の賃金支給(手当とは限らない)
※3つの要件に外れるようであれば、割増賃金を支払うこととした方が得策です。
こういった説明は、本当に正しいのでしょうか?
確かに、「…要件に該当するとは言えず…管理監督者とは言えない。」という判例が多数を占めることが、このような要件を生むのでしょう。もちろん、3つの要件に適合させることを一生懸命考えても構いません。適合させれば、行政からの指導や勧告のリスクから逃れられるでしょう。
しかし、3つの要件全てに適合させることができる企業はいったいどれだけあるのでしょうか。適合していなかったら、今までの人事労務管理を全て否定されるのでしょうか。
否定されるということは、解釈の違いはあっても経営者の純粋な想いを否定されるのと同じです。
・判例はあくまでもその事案についての判例。 ⇒ あなたの会社はMACではない
・MACの判決は、まだ一審判決が出ただけ。 ⇒ 日本は三審制 ⇒ 慌てる必要はない
このように言えなくはないでしょうか?
また、管理監督者というあたかも一人格のような表現をされていますが、実は“管理者”と“監督者”という二人格なのです。
イメージすると以下のようになります。
■監督者 ⇒ 事業場の長(支店長)やその事業場(支店)の運営方針参画する人
■管理者 ⇒ 経営管理する人(経営者や役員)
監督者には部下がいます。部下が遅刻をしていないか、ちゃんと働いているかを確認する職務があります。つまり、人(部下)の働きによって監督者本人の時間が変わるので、時間規制が出来ないのです。
管理者には部下がいない場合があります。でも、人事権があります。 人事権は経営者側にしか持てない絶対的な権利ですので、この権利を持っている限りにおいては、経営者側であるわけです。
時として会社側は、「形式さえ整えていれば取り敢えずはOK。」という思考に陥ります。労組等の突っ込みもあることでしょう。だからと言って形式を整えること自体を否定はしませんが、形式はあくまでも形式でしかなく、もっと大切なことは労使関係の基本である『信頼関係』です。
形式や制度が整備されていても、会社側のメッセージがキチンと伝わってなく、また、管理職本人の意識が希薄であればトラブルが発生するリスクはあります。
個別労働関係紛争(労使トラブル)の増加を背景に、「自分は名ばかり管理職だ。」と声を上げる社員が出てきてもおかしくありません。
実は、行政指導よりも労使間の信頼関係が崩れている方が怖いのです。
『信頼関係の構築』 これが、キーポイントです。