「仕事も中途半端なくせに、権利はしっかりと主張してくる。」
こういった経験は一度や二度はあるでしょう。
信頼関係が形成されていれば、このような事態は考えられません。
しかし、“信頼関係があるフリ”の風土であれば、十分に起こりえることです。
この権利の主張は、有給休暇や残業代でトラブルが起こりやすいようです。
権利を主張するのは何故でしょうか。
法律で定められている当然の権利だからでしょうか、仕事をなめているのでしょうか、働く人間として欠けているところがあるのでしょうか。
答えは、就業規則に準じた運用がなされていないからです。
つまり、就業規則が“あるだけ”の物と化しており、全く使っていなかったことが主たる原因です。
例えば、「有給休暇を取得する際は、前日までに申請書を提出。」との記載があれば、その通りに運用していたでしょうか。
雛形でない、会社の事情を考慮した就業規則であれば、必ずその理由があるはずです。雛型にはそのメッセージが全くないのです。
「少なくとも14時くらいまでには言ってもらわないと、要員の都合がつけにくい。」という事情があれば、その旨を記載して、社員に伝えれば良いのです。
現実問題として、14時までに申請書を提出しなかった場合でも、拒否できるわけではありません。
しかし、本当に困るのであれば「それは困る。何故ならば・・・」と文句の一つくらいの反論は出来ます。
このことから就業規則は、「うちの会社では○○のルールに則って下さい。」という、『社員の教育ツール』となり得るのです。
「△△については○○として取り扱う。皆さん方に権利としてあるのは分かっているが、○○として頂かないことには困る。だから、○○として下さい。」
必ずや伝わるはずです。真の信頼関係が形成されていれば、誰も不平は言わないでしょう。
但し、会社側の労働法規に対する理解がなく、完全な法律違反の状態であるならば、主張されても反論のしようはありません。
『就業規則は労働条件を定めた契約書』
このことを忘れずに、あるだけの“静”から、使いまくる“動”へ。
一つひとつについて、真剣に説明するという経営者様の行動は、下手な外部研修を受講させるよりも効果があります。
就業規則を、信頼関係の形成、トラブル回避、教育ツールとして是非活用して下さい。
不明瞭・不十分な就業規則は、会社・社員の双方に不利益をもたらします。前ページ図の『困惑のスパイラル』がそれです。
『企業防衛』から波及する、『社員の教育ツール』、『ルールの理解』 と 『全力で守る信頼関係』