≪納得がいかない賃金・賞与≫…原因は?
◆賃金については、入社年と年齢が同じであれば○○万円、と一律に決められていることに起因します(同一労働同一賃金の原則はここでは述べません)。
もちろん、賃金の決め方については、最低賃金法という最低額の基準があるのみですから、様々な考え方で設定することに異論はありません。
仮に一律に決められていたとしても、昇給・昇格の際に差をつけることによって将来的にAさんとBさんの賃金に差をつけることは可能です。
しかし、以下の不具合が解消できません。
◎Bさんへの残業代の支払義務は残る
◎昇給を重ねても、Aさんの賃金がBさんの賃金+残業代に追いつくまで数年かかる
つまり、昇給・昇格の際に差をつける仕組みしかないのであれば、経営者の頭痛が治まることはありません。頭痛は我慢できたとしても、優秀なAさんのやる気を削ぐ要因となっていることの方が大変です。
従って、Bさんを教育・指導してAさんレベルにまで育てない限り、この不具合は解消できないのです。
前述したように、経営者の「残業代を支払う」という悩みや、場合によっては違法な「サービス残業」というリスクからは逃れられません。
◆賞与については、賞与の決め方を、退職金と同じように“基本給”を基準に算出していることに原因があります。
賞与の本来の目的は、業績向上に貢献した従業員を褒賞し、次期に向けて更なる意欲を持たせるための投資です。
賞与とは、毎月決められた額の給与と違って、一定期間の企業業績を基準とした『成果配分』という考え方をし、ある一定期間に全社員で稼ぎ出した利益の一部を、個々人毎の“貢献度に応じて配分”するものです。
“貢献度に応じて”の部分につき、前出したCさんDさんの例では確かに評価では“差”をつけています(1.7ヶ月/2.2ヶ月)。この“差”自体に異論はないでしょう(評価のプロセスは別問題)。
しかし、もう一つのベースである基本給に“決定的な差”があるために、支給額の逆転現象が起きてしまうのです。
貢献度はDさんが上だが支給額はCさんが上。
『貢献度に応じた配分』という定義、もしくは経営者の「頑張った人には・・・」という思惑から外れることになるのです。